5円玉の種類と、年ごとの発行枚数の推移についての情報をまとめました。
現在発行されているかどうかは別として、現在でも日常の買い物で使用できる5円玉は全部で4種類あります。なかには5円よりも遥かに高額で取引される5円玉や、ほとんどの人が見たことのない5円玉もあります。
また、5円玉の発行枚数の推移を見てみると、大量に発行された年もあれば、ほとんど発行されなかった年もあります。

5円玉は全部で4種類
まずは5円玉の種類について、財務省の分類をご紹介します。
5円玉の種類 | 素材 | デザイン | 発行年 |
---|---|---|---|
5円玉(穴無し) | 黄銅貨幣 | 表:国会議事堂 裏:鳩 | 昭和23年、24年 |
5円玉(楷書体) | 黄銅貨幣 | 表:稲穂、歯車、水 裏:双葉 | 昭和24年から33年まで |
5円玉(ゴシック) | 黄銅貨幣 | 表:稲穂、歯車、水 裏:双葉 | 昭和34年から現在まで |
5円玉(プルーフ) | 黄銅貨幣 | 表:稲穂、歯車、水 裏:双葉 | 昭和62年以降、毎年 |
現在流通している黄銅貨幣の5円玉は、昭和23年から発行されているもので、当初は5円玉の特徴である穴が無く、表には国会議事堂、裏には鳩がデザインされた硬貨でした。翌24年からは穴のある5円玉が登場し、現在まで同じデザインが使用されています。
なお、現在発行の5円玉はゴシック体が使用されていますが、昭和24年から33年までは楷書体が用いられており、一般的に「フデ5」と呼ばれています。また、昭和62年以降には、記念硬貨セットとしてプルーフ硬貨が毎年発売されています。
アルミフデ5
素材に特徴があり「アルミフデ5」と呼ばれている都市伝説のような5円玉が、昭和24年に発行されています。
「アルミ製」で「楷書体」の5円玉であることから「アルミフデ5」と名付けられていますが、世界に数枚しか存在していないとも言われ、この名前を知っていても実物を見たことがある人は極めて少ないです。
5円玉の発行枚数が少ない年
5円玉のように流通する通貨は、毎年のように新しい硬貨が発行されますが、実は年によって発行枚数は大きく違います。硬貨にも需要の上下があるため、財務省の判断によって年ごとに発行枚数が決定されます。
一般的に、通貨の発行枚数が少ない年のことは「特年」と呼ばれています。5円玉は発行枚数が多いため、特年となる年は決して多くありません。しかし、年ごとの発行枚数を見てみると、極端に発行枚数が少ない年がいくつかあります。
なお、5円玉の年間の発行枚数は、多い年には10億枚に迫り、少ない年には45万枚という年もあります。少ないと言っても数万枚が発行されていますが、やはり多い年と比べるとレアコインとして評価されます。
昭和32年発行の5円玉(楷書体)
昭和32年の5円玉の発行枚数は、1000万枚です。
正確な理由は分かりませんが、昭和23年から発行され始めた5円玉は、昭和29年から31年までの3年間、1枚も発行されませんでした。そして、3年間のブランクを経て、5円玉の発行が再開された初年度にあたる昭和32年の発行枚数は1000万枚でした。
昭和27年の5円玉の謎
楷書体の5円玉では、昭和32年と同じように「発行枚数が少なかった」という理由で、昭和27年の5円玉についても高値で取引されることがあるようです。しかし、27年の発行枚数は5500万枚と決して少なくもありません。実は翌年の28年の方が4500万枚と発行枚数が少ないです。
昭和42年発行の5円玉(ゴシック体)
昭和42年の5円玉の発行枚数は2600万枚で、5円玉がゴシック体になってから最初の特年となりました。
1億枚以上の発行が当然となっていた時期に、なぜか42年だけは大きく発行枚数を減らしています。参考までに、前年の昭和41年は1億6300枚、翌年の43年は1億1400万枚です。
平成12年発行の5円玉(ゴシック体)
平成12年の5円玉の発行枚数は903枚で、平成最初の5円玉の特年となっています。
驚くことに1000万枚にも届かない発行枚数です。平成元年には10億枚に迫る数量が発行された5円玉は、平成2年以降は少しずつ発行枚数が減っています。ちなみに平成12年は、西暦の2000年に当たるミレニアムイヤーですが、5円玉の発行枚数が少なくなった理由との関係は不明です。
平成17年~25年発行の5円玉(ゴシック体)
平成17年に約1600万枚へと発行枚数を大きく減らした5円玉は、平成21年まで1000万枚以下の少量の発行となりした。そして、22年から25年については一般流通を目的とした発行が行われず、年間50万~60万枚程度しか作られていません。
このため、平成22年から25年までの4年間に発行された5円玉については、必ず特年として扱われます。
【完全データ】5円玉の発行枚数の推移(昭和23年~令和5年)
財務省が公表している貨幣の発行枚数のデータである「年銘別貨幣製造枚数」などを元に、年度および種類別の5円玉の発行枚数の完全データを作成しました。
年号 | 西暦 | 穴無し | 楷書体 | ゴシック体 | プルーフ |
---|---|---|---|---|---|
昭和23年 | 1948 | 74,520,000 | |||
昭和24年 | 1949 | 179,692,000 | 111,896,000 | ||
昭和25年 | 1950 | 181,824,000 | |||
昭和26年 | 1951 | 197,980,000 | |||
昭和27年 | 1952 | 55,000,000 | |||
昭和28年 | 1953 | 45,000,000 | |||
昭和29年 | 1954 | 0 | |||
昭和30年 | 1955 | 0 | |||
昭和31年 | 1956 | 0 | |||
昭和32年 | 1957 | 10,000,000 | |||
昭和33年 | 1958 | 50,000,000 | |||
昭和34年 | 1959 | 33,000,000 | |||
昭和35年 | 1960 | 34,800,000 | |||
昭和36年 | 1961 | 61,000,000 | |||
昭和37年 | 1962 | 126,700,000 | |||
昭和38年 | 1963 | 171,800,000 | |||
昭和39年 | 1964 | 379,700,000 | |||
昭和40年 | 1965 | 384,200,000 | |||
昭和41年 | 1966 | 163,100,000 | |||
昭和42年 | 1967 | 26,000,000 | |||
昭和43年 | 1968 | 114,000,000 | |||
昭和44年 | 1969 | 240,000,000 | |||
昭和45年 | 1970 | 340,000,000 | |||
昭和46年 | 1971 | 362,050,000 | |||
昭和47年 | 1972 | 562,950,000 | |||
昭和48年 | 1973 | 745,000,000 | |||
昭和49年 | 1974 | 950,000,000 | |||
昭和50年 | 1975 | 970,000,000 | |||
昭和51年 | 1976 | 200,000,000 | |||
昭和52年 | 1977 | 340,000,000 | |||
昭和53年 | 1978 | 318,000,000 | |||
昭和54年 | 1979 | 317,000,000 | |||
昭和55年 | 1980 | 385,000,000 | |||
昭和56年 | 1981 | 95,000,000 | |||
昭和57年 | 1982 | 455,000,000 | |||
昭和58年 | 1983 | 410,000,000 | |||
昭和59年 | 1984 | 202,850,000 | |||
昭和60年 | 1985 | 153,150,000 | |||
昭和61年 | 1986 | 113,960,000 | |||
昭和62年 | 1987 | 631,775,000 | 230,000 | ||
昭和63年 | 1988 | 396,120,000 | 200,000 | ||
昭和64年 | 1989 | 67,332,000 | |||
平成1年 | 1989 | 960,660,000 | 200,000 | ||
平成2年 | 1990 | 520,953,000 | 200,000 | ||
平成3年 | 1991 | 517,120,000 | 220,000 | ||
平成4年 | 1992 | 301,130,000 | 250,000 | ||
平成5年 | 1993 | 413,240,000 | 250,000 | ||
平成6年 | 1994 | 197,767,000 | 227,000 | ||
平成7年 | 1995 | 351,874,000 | 200,000 | ||
平成8年 | 1996 | 207,213,000 | 189,000 | ||
平成9年 | 1997 | 239,086,000 | 212,000 | ||
平成10年 | 1998 | 172,612,000 | 200,000 | ||
平成11年 | 1999 | 60,120,000 | 270,000 | ||
平成12年 | 2000 | 9,030,000 | 226,000 | ||
平成13年 | 2001 | 78,025,000 | 238,000 | ||
平成14年 | 2002 | 143,662,000 | 239,000 | ||
平成15年 | 2003 | 102,406,000 | 275,000 | ||
平成16年 | 2004 | 70,903,000 | 283,000 | ||
平成17年 | 2005 | 16,029,000 | 258,000 | ||
平成18年 | 2006 | 9,594,000 | 247,000 | ||
平成19年 | 2007 | 9,904,000 | 201,800 | ||
平成20年 | 2008 | 9,811,000 | 168,200 | ||
平成21年 | 2009 | 4,003,000 | 132,000 | ||
平成22年 | 2010 | 510,000 | 130,000 | ||
平成23年 | 2011 | 456,000 | 108,000 | ||
平成24年 | 2012 | 659,000 | 103,000 | ||
平成25年 | 2013 | 554,000 | 102,000 | ||
平成26年 | 2014 | 87,538,000 | 97,000 | ||
平成27年 | 2015 | 105,004,000 | 92,000 | ||
平成28年 | 2016 | 35,064,000 | 105,000 | ||
平成29年 | 2017 | 33,927,000 | 108,000 | ||
平成30年 | 2018 | 17,960,000 | 99,000 | ||
平成31年 | 2019 | 16,946,000 | 75,000 | ||
令和1年 | 2019 | 20,574,000 | 50,000 | ||
令和2年 | 2020 | 29,528,000 | 105,000 | ||
令和3年 | 2021 | 10,133,000 | 142,000 | ||
令和4年 | 2022 | 574,000 | 123,000 | ||
令和5年 | 2023 | 463,000 | 87,000 |