天地開闢とは、混沌の世界が天と地に分かれた「世界の始まり」のことです。日本の最初の神様である天之御中主神は、天地開闢によって生まれた高天原(天)に現われました。
天地開闢の読み方と意味

天地開闢の読み方は「てんちかいびゃく」で、「世界の始まり」を意味します。
「天」とは人を超えた遥か上の世界で、「地」は人々が暮らす世界です。なお、神話の世界では、天は「高天原」、地は「葦原中国」と呼ばれ、さらに死後の世界である「黄泉の国」が加わり、3つの世界で構成されています。
これまでの混沌のなかから、天と地が分かれることで世界が始まりました。
日本の神道とかギリシャ神話のような多神教だと天や地が生まれたあとに神様が登場するんだけど、ユダヤ教やキリスト教のような一神教の場合には神様が「天地創造」するので、宇宙の始まりとか超初期の段階から多神教と一神教は相容れないんだなぁと思うと、育ってきた環境が違うってレベルではない🐼
— きゃっぷ 🐼 (@capjpn) November 14, 2024
神話のなかの天地開闢
混沌から天と地が分かれる様子がイメージしづらいので、神話のなかで描かれる天地開闢を紹介します。
古事記における天地開闢
古事記では、天地開闢のことを「天地初発」と書いています。そして、天地開闢のときに高天原では天之御中主神、続いて高御産巣日神、神産巣日神が現れました。
天地開闢によって天と地に分かれましたが、「地」は若くて固まらずに国土が水に油のように浮いており、クラゲのように漂っていると表現しています。こうした環境のなか、葦の目が萌え出るように宇摩志阿斯訶備比古遅神、続いて天之常立神が現れました。
日本書紀における天地開闢
日本書紀では、まず天地開闢のまえの混沌の状態について「鶏卵の中身のように固まっていなかった」と表現していますので、混沌とは生卵のようにドロドロの状態のようです。また、その混沌の中に「ほの暗くぼんやり何かが芽生えていた」と、天地開闢前の様子を表しています。
そして、そんな生卵のようにドロドロのなかから、澄んで明るいものが上に昇っていって「天」になり、重く濁ったものは下に滞って「地」となったと言います。さらに、澄んでいるものはスグに固まったものの、重く濁ったものは固まるのに時間がかかったため、「天」から先に出来上がったそうです。こうして天地開闢が起こり、そして天には神様が生まれました。