阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)は、大阪市阿倍野区にある歴史ある神社です。平安時代に熊野詣が盛んだった頃、熊野九十九王子のひとつとして栄えました。現在では、厄除けや無病息災などのご利益を求め、多くの参拝者が訪れるパワースポットとして知られています。
阿倍王子神社の基本情報
項目 | 内容 |
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神社名 | 阿倍王子神社 |
公式ウェブサイト | 阿倍王子神社公式サイト |
公式SNS | X(旧Twitter):なし インスタグラム:なし YouTube:なし |
御祭神 | 伊邪那岐大神 伊邪那美大神 速素盞鳴大神 品陀別大神(応神天皇)※男山八幡宮より合祀(明治40年) |
ご利益 | 厄除け 無病息災 病気平癒 家内安全 事業繁栄 |
御朱印 | あり |
崇敬会 | なし |
鳥居の形 | 明神鳥居 |
月次祭 | 毎月1日 |
年次祭 | 例祭(10月15日) |
創建年 | 仁徳天皇時代(393年~427年頃) |
参詣時に押さえておきたい3つのポイント
熊野詣と歴史的背景
阿倍王子神社について知るには、最低限の熊野詣に関する知識が必要です。

熊野詣とは、現在の和歌山県にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を参詣することで、平安時代に大きなブームとなりました。天皇や皇后をはじめ、一般庶民に至るまで、大阪の天満橋を起点として熊野へと参拝しました。この道を、熊野街道と呼びます。
この熊野街道には、熊野へ参拝する人々が立ち寄る王子社が数多く建てられました。
阿倍王子神社は元々は阿倍氏の氏神社でしたが、この天満橋を起点とした熊野街道沿いにあり、四番目の王子社となりました。大阪府下の王子社の多くは既に廃れており、現存している王子社についても当時から移設されたものです。こうした中、阿倍王子神社については当時の所在地にそのまま残る大阪府下で唯一の王子社です。
年代 | 出来事 |
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仁徳天皇の時代 | 仁徳天皇によって創建される |
天長3年(826年) | 空海が参り、疫難退散の祈祷をする →疫病治癒の意味で「痾免寺(あめんでら)」と呼ばれる |
奈良時代 | 地域をおさめる阿倍氏の勢力が大きくなる |
平安時代 | 阿倍氏の勢いが衰え、氏寺が四天王寺に合併される |
熊野詣の人気が高まるなか、阿部氏の氏神社が王子社となる |
天王寺周辺の王子社では、堀越神社の境内社として熊野第一王子之宮があります。
樹齢500年の御神木

阿倍王子神社の境内には樹齢500年を超えるクスノキが4本もそびえ立っています。すべてのクスノキには木霊神が宿っており、大阪府指定保存樹にもなっています。
- 波多能木霊神
- 茂社能木霊神
- 多真能木霊神
- 沙紀能木霊神
4つの境内社にも注目
阿倍王子神社の境内社には、次の4社があります。
御烏社 | 熊野詣とも関係の深い八咫烏を祀る |
葛之葉稲荷神社 | 安倍晴明の伝説上の母の名前を冠する |
春夏冬社 | 阿倍王子神社の旧本殿 |
水神社 | 高龗神や闇龗神、罔象女神を祀る |
また、阿倍王子神社の飛び地境内社として、50メートルほど離れた敷地に安倍晴明神社もあります。
安倍晴明神社 | 陰陽師・安倍晴明の生誕の地 |
阿倍王子神社への行き方・アクセス
項目 | 内容 |
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所在地 | 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野元町9-4 |
アクセス | 阪堺電軌上町線「東天下茶屋駅」から徒歩5分 Osaka Metro御堂筋線「昭和町駅」から徒歩15分 |
駐車場(有無) | なし |
合わせて拝みたい
阿倍王子神社の摂社・末社をご紹介します。
- 安倍晴明神社(徒歩2分)
陰陽師・安倍晴明ゆかりの地として有名な末社。
阿倍王子神社の御朱印について
阿倍王子神社では御朱印を頂くことができます。八咫烏をモチーフにしたデザインが特徴的で、多くの参拝者に人気です。
阿倍王子神社の映える撮影スポット
- 御神木【通年】
500年以上の歴史を持つクスノキは迫力満点。 - 八咫烏のおみくじ【通年】
キュートなおみくじはSNS映え間違いなし。 - 秋祭り【10月】
例祭時期には華やかな雰囲気が楽しめます。
阿倍王子神社のまとめ
阿倍王子神社は、大阪市阿倍野区にある歴史深い神社で、熊野詣や八咫烏など多くの魅力があります。厄除けや無病息災など多岐にわたるご利益も期待できるため、地元住民から観光客まで幅広い層に親しまれています。ぜひ一度訪れてみてください!