厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、主に市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る神社の系統で、航海安全、商売繁盛、縁結び、厄除けなどのご利益があることで、船乗りや商人、観光客など多くの信仰を集めています。厳島神社の総本宮は広島県廿日市市の厳島(宮島)にあり、その他にも代表的な神社として宗像大社(福岡県)、竹生島神社(滋賀県)、江島神社(神奈川県)などがあります。
厳島神社とは
厳島神社は、日本三景の一つ「安芸の宮島」に位置し、その歴史は1400年以上前に遡ります。推古天皇元年(593年)に創建されたとされ、平安時代には平清盛によって現在のような海上に浮かぶ壮麗な社殿が整備されました。
厳島神社の御祭神
多くの厳島神社では、御祭神として以下の3柱の女神が祀られています。これらは「宗像三女神」としても知られています。
市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
市杵島姫命は、主祭神であり、海上守護や水に関わるご利益を持つ女神です。また、弁才天と同一視されており、芸術や学問にも強いご利益があるとされています。
田心姫命(たごりひめのみこと)
田心姫命は、市杵島姫命と共に祀られる女神で、国家鎮護や家内安全を司るとされています。
湍津姫命(たぎつひめのみこと)
湍津姫命もまた宗像三女神の一柱であり、水運や航海安全を守護する役割を担っています。
厳島神社のご利益
厳島神社の主なご利益は次の5つです。
1. 航海安全
古くから瀬戸内海を行き交う船乗りたちから信仰されており、航海安全を祈願するために参拝されています。
2. 商売繁盛
商人たちからも篤く信仰されており、特に商売繁盛や事業成功を願う参拝者が多いです。
3. 縁結び
市杵島姫命が弁才天と同一視されることから、縁結びや恋愛成就にもご利益があるとされています。
4. 厄除け
厄年や災難から身を守るため、多くの参拝者が厄除け祈願を行います。
5. 健康長寿
健康と長寿を願う参拝者も多く訪れます。特に高齢者や家族連れがこのご利益を求めて参拝します。
厳島神社に伝わる逸話や伝説
厳島には古代から自然信仰が根付いており、特に弥山(みせん)そのものが御神体として崇拝されてきました。また、市杵島姫命が理想的な鎮座地を探し求めて旅をし、この地に落ち着いたという伝説も残っています。
厳島神社の総本宮と代表的な神社
神社名 | 所在地 | 特徴 |
---|---|---|
厳島神社 | 広島県廿日市市宮島町 | 日本三景「安芸の宮島」 世界遺産登録 |
宗像大社 | 福岡県宗像市 | 宗像三女神を祀る総本宮 |
竹生島神社 | 滋賀県長浜市 | 日本三大弁財天として信仰 |
江島神社 | 神奈川県藤沢市 | 芸能上達・縁結びで有名 |
厳島神社の主な例祭や行事
管絃祭
平清盛によって始められたと言われるこの祭りは、毎年旧暦6月17日に行われます。夜には御座船が灯火に照らされながら宮島と対岸を行き来する様子はまさに平安絵巻そのものです。
桃花祭
4月には「桃花祭」が開催され、高舞台で舞楽が奉納されます。この舞台は日本三舞台の一つとして有名です。
厳島神社まとめ
厳島系の神社は、日本全国に約500社存在し、その総本宮である広島県廿日市市の厳島神社は、日本三景「安芸の宮島」として知られる世界遺産です。宗像三女神を祀り、多様なご利益があることから、多くの参拝者が訪れます。その歴史的背景や美しい景観も相まって、日本有数の観光地としても知られています。