大歳系神社とは？

2024年11月19日

大歳系神社とは、主に大歳神（おおとしのかみ）を御祭神として祀る神社の系統です。大歳神は、農業や五穀豊穣、家内安全、除災招福などのご利益があることで広く信仰されています。特に農業従事者や家庭を守る人々に強く信仰されており、古くから日本各地で崇敬されています。大歳系の総本宮は奈良県御所市にある葛木御歳神社です。

大歳系神社とは

大歳系神社は、年神（としがみ）とも呼ばれる大歳神を中心に祀る神社です。大歳神は、五穀豊穣や農業の守護神として古代から信仰されており、日本全国に多くの分霊が広がっています。特に正月には「年神様」として家庭に迎えられ、家族の繁栄や無病息災を祈る風習があります。

大歳系神社の御祭神

多くの大歳系神社では、主に1柱の御祭神である大歳神を祀っていますが、相殿に他の神々も祀られている場合があります。以下、大歳系神社で祀られている代表的な御祭神について解説します。

大歳神

大歳神（おおとしのかみ）は、日本の古代信仰における農業と豊穣を司る重要な神です。素戔嗚尊（すさのおのみこと）と大市比売命（おおいちひめのみこと）の子であり、妹には稲荷信仰で知られる宇迦之御魂命（うかのみたまのみこと）がいます。大歳神は五穀豊穣や農業漁業隆昌をもたらすだけでなく、家内安全や除災招福など幅広いご利益を持つとされています。

石作神

石作氏の祖先とされる石作神（いしづくりのかみ）も、一部の大歳系神社では相殿に祀られています。この氏族は石棺などを製作する技術者集団であり、その技術を守護する祖先として信仰されています。

豊玉姫命

彦火火出見尊（ひこほほでみのみこと）の后である豊玉姫命（とよたまひめのみこと）も、大歳系の一部の相殿に祀られています。彼女は海との関わりが深く、漁業や航海安全にもご利益があるとされています。

大歳系神社のご利益

大歳系神社には、多岐にわたるご利益があります。主なご利益は以下の通りです。

五穀豊穣

農業を守護する大歳神は、特に五穀豊穣をもたらすことで知られています。農耕が生活基盤だった時代から現代まで、このご利益は多くの人々に信仰されています。

家内安全

家族全体を守護する力も強いとされており、大歳系の信仰では家内安全を願う参拝者が多いです。

除災招福

災難を避け、幸福を招くという意味で、大歳系のご利益には除災招福も含まれます。特に正月には、この力が強まるとされています。

縁結び・夫婦和合

一部の大歳系では縁結びや夫婦和合もご利益として知られており、人々が円満な家庭生活を送るためのお参りが行われます。

大歳系神社に伝わる逸話や伝説

大歳系には多くの逸話や伝説が残されています。その中でも有名なのは、大歳神が新年になると各家庭を訪れ、その年の豊作や家族繁栄を約束するというものです。この伝説から、日本では正月飾りや鏡餅など、大歳信仰に由来する風習が今でも続いています。

大歳系神社の総本宮と代表的な神社

神社名	所在地	特徴
葛木御歳神社	奈良県御所市	全国の御年・御歳信仰の総本宮
大歳神社	京都府京都市西京区	農耕生産・厄除けなど広範囲なご利益
大歳神社	兵庫県姫路市広畑区	五穀豊穣・家内安全・夫婦和合など

全国には数多くの大歳系が存在しますが、その中でも奈良県御所市にある葛木御歳神社は総本宮として知られています。また、大阪府住吉区にも住吉大社境外摂社として有名な大歳があります。

大歳系神社の主な例祭や行事

祭礼名	日程	内容
正月祭	1月1日〜3日	年始のお参りとして、多くの参拝者が訪れる
例祭（姫路市）	5月8日	五穀豊穣や家内安全を祈願する伝統的な祭礼
氏子祭（京都府）	10月第3日曜	地元住民による奉納舞などが行われる

各地で行われる例祭では、五穀豊穣や家内安全を祈願する儀式が中心となります。また、一部地域では金剛流家元による奉納舞など伝統的な芸能も奉納されます。